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和食レストラン体験談

 クリスマスまで1ヶ月をきったコペンハーゲン市内でも、街のいたるところにクリスマスらしい装飾が彩られている。大きな広場には大きなクリスマスツリーが立ち、あらゆるところが、イルミネーションで輝いている(といってもクリスマスでもなんでもない時季の東京の繁華街と同様か、それよりかはシンプルだったりする)。

 しかし、Lucasはそういったイルミネーションを見慣れていないため、街に出れば一人興奮し、一つ一つのライトを指差し「アッアッ」と叫ぶか、そのライトに向かって突進していく。

 昨日、義母と義妹の提案で、皆で街のレストランで外食をしようということになった。このメンツ(義母、義妹、夫、Lucas、私)で外食をするのは初めてのことである。この5人は頻繁に顔を会わせ、週に2回は食卓を一緒に囲むのであるが、外食となると初めてのことである。

 というのも、デンマークのレストランは比較的高値であることが第一の理由であり、その他デンマーク料理であれば、義母はレストランと同等かもしくはそれ以上のお手並みであり、また彼女も料理を作ることが好きなので、レストランに行く必要がないからであろう。

 めったにない外食なので、私はかなりうきうき気分であった。義母とLucasと一緒に街に出て、仕事帰りの夫と義妹と待ち合わせをし、しばらくウィンドーショッピングや、イルミネーションに興奮して歩き回っているLucasと戯れた後、私たちはレストランへ行くことにした。

 義妹がカニを食べられる店を知っているということで、デンマークに来てから一度もカニの味を堪能していない私は大、大、大賛成であり、そこに行くことにした。私は幼い頃から「好きな食べ物は?」と聞かれれば間髪いれずに「エビとカニ」と答えるほど、エビカニ好き人間であるが(大人になってからはその他にホタテが追加された)、現在の生活(デンマークライフ)が始まってからは、ほとんど彼らに出会う幕はない。彼らに会わずして生活している自分を褒め称えたい。

 スーパーで、比較的安価で冷凍のエビは購入できるが、それはとてもとても小さいえびであり、例えて言うならば、カップヌードルに入っているエビのサイズである。そのエビを食べたところで、「今日はエビを食べた!」という気分にはなれないのだが、食べないよりマシと思い、頻繁に購入している。ちなみにこちらで購入できる日進のカップヌードルには、その小さなエビですら入っていない。代わりに(と言っていいのかわからないが)、グリンピースが入っている。グリンピース自体は好きであるが、カップヌードルに入っているグリンピースはどうも好きになれない。もちろんシーフードヌードルなどというものは存在せず、カレー味かチキン味、ビーフ味である。(日本食品店に行けば、日本で売られているものと同じ物が手に入るが、少し高い。)

 話を戻そう。私たち一行は、そのカニを食べられる店に向かって歩いた。少し長い道のりであったが、カニが食べられると思えば、そんなものは苦でなかった。しかし、いざ店の前に到着し、私たちが目にしたものは「本日休業」の張り紙である。私の中で「ガク−ン」と音が聞こえそうなほど、ガックリした。その後もしばらく私はカニが頭から離れなかったが、他の皆は切り替えが早い。では、何を食べるかという話になっていた。

 そこで、その店の近くに日本語で看板を出している店があった。和食レストランである。名前を出すと、おそらく営業妨害になるので、ここではあえて名前を出すことは控えておく。私はいくつかの和食レストランを知っている(入ったことはない)が、ここに和食レストランがあることは、この時初めて知った。

 私は常日頃から夫に、デンマークの和食レストランに行ってみたいと告げていたので、そのことが考慮されたのか、私たちはここに入ることにした。その店内では、一人の日本人男性だけが接客を担当していた。厨房内に人がいるのか、その人一人で切り盛りしているのかは不明である。

 始めに言ってしまうと、彼はひじょーに愛想が悪く、そのおかげでせっかくの久しぶりの外食、そしてほとんど初体験と言ってもいいほどの和食レストランinデンマークがだいなしであった。

 私たちは狭い店内にベビーカーごと入って行った。そのことが気に入らないのであれば、始めにそのことを私たちに伝えれば良いだけの話であるし、多くのベビーカー入店禁止の店は、そのマークが店の外に張り出されてあるが、ここには無かった。しかし、彼はそのことについては何も言わなかったため、私たちはベビーカーを私たちのテーブルに横付けにした。店内は空いていたので、問題ないと判断した。

 私たちが着席してからも、彼は非常に不満げな顔をしており、彼は私を見て「あんた、日本人?」と聞いた。私は「そうです。」と答えた。会話終了。私はなんて失敬な人だと感じた。まず客に向かって「あんた」とはなんだ?たまに、特に中年の男性(ちなみにこの店の人も中年男性)でこういった呼び方をする人は見られるが、会話の弾みで出てしまう人も多いし、そのような場合では私もいちいち腹を立てるほど、心の狭い人間だとは思っていない。

 しかしこの店の人は違う。まず無愛想な態度から始まり、そして「あんた」と呼ばれ、その後会話が続くわけでもなし。外国(とくにデンマークのように小さな国)で同じ日本人に遭遇したら、これよりかはもっともっと会話が弾むのが常である。会話がそれほど弾まないにしても、同郷同士、それなりの親近感が湧くものである。

 私は少し彼について分析してみることにした。もともとぶっきらぼうで、相手に無愛想と思わせてしまうのか、はたまたベビーカーを店内に入れたことが気に入らないのか、それとも日本人嫌いなのか。この3つ以外、思い当たる点はない。しかし、他の数少ない客に対しては、私たちに対する態度とはまるで異なるとまでは言わないが、多少愛想を良くしていた。すると、ベビーカーの件が問題なのか、日本人嫌いかだけに絞られるが、その点は未だ不明であり、知りたいとも思わない。

 そして私たちは注文した。デンマークの和食レストランは、他の種類のレストランと比べても比較的高値である。義母と義妹はてんぷらとすしと御飯とおしんこがセットになっているものを二人で一人前注文した。そして私と夫は天丼とカツカレーを注文し、二人(いやLucasを含めて3人)で取り分けて食べることにした。天丼もカツカレーも一人前が各2000円近い価格である。本当はすしが食べたかったが我慢した。夫もおそらくそうであろうことは伝わってきていたが、この辺りは、悲しいかな暗黙の了解でお互い比較的安価な物を注文した。

 注文してから待たされること約40分。40分じっと座っていることは、空腹の大人にとっても長い時間であるが、Lucasにとってはそれはそれは長い時間である。というよりも不可能に近い。このレストランには、子供用の椅子が用意されていなかったため、Lucasは私と夫の膝の上を代わる代わる移動していた。ちなみに私は、例の彼に恐る恐る「子供用の椅子はないですか?」と尋ねたところ、「ないですか?」の「か」の字も終わらない辺りで、「ないです!」と即答され、会話終了であった。

 私は数種のおもちゃを持参していたが、それだけでは飽き足らず、Lucasはテーブルの上のあるあらゆる物を触り、そして店内を歩きたがった。ここでLucasが店内をちょろちょろ歩きまわり、何か物でも壊した日には、機嫌の悪い彼の機嫌をより損ねる要因を増やすことになる。彼の機嫌が良かろうが悪かろうが、私には関係ないことであるが、余分な代金を請求されたら・・・ということや、せっかくのめったにない外食であるのに、そんなことが理由で料理が粗雑になったら・・・などという不安が無きにしもあらずであった。

 そのため、私も夫も必死でLucasを取り押さえた。約40分後、彼は料理を運んできたが、時間を取ったことに対する侘びもなく、無言でポンポンと料理をテーブルに置いていった。
もし彼が日本で店を経営していて同じ態度を取っていたら、客は寄り付かないであろうし、雇われ人であれば、即日解雇になってもおかしくない態度であると思う。

 料理自体はまずまずの味であり、久々に自分が作ったもの以外の和食を呈する私としては満足の行くものであったし、夫も義母も義妹もおいしいと言って食べていた。最近、遊び食べが増え、小食になっていたLucasでさえも、私でも少し辛口?と思わせられるようなカレーを、手づかみでバクバクと食べていた。

 しかし店を出た後、夫は「料理はおいしかったけど、あの人の態度にはちょっと問題があるね。僕はあの店にはもう二度と行きたくない。今度は違う和食レストランに行こうね。」と、私が思っていたことをそっくりそのまま代弁して言ってくれた。
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